アイム『た、ただいまー。』


明智『おかえり〜!みっちゃんご飯できてるよ〜!』


アイム『あのさ、みっちゃんってやめてくれる?俺いま、アイムだから!』


明智『どうして?光秀なんだからみっちゃんでいいじゃない?』


アイム『俺は変えたんだよ!今更、俺の勝手だろ!』


明智『そうだよね。ごめんね。おとうさん勝手だよね。』


アイム『ま、まあ、音楽!俺DJやってんだよ!だからそのネームっつうか、きにいってんだ!』


明智『そうだよね。昔よくじーさんと一緒に行った温泉に行ったんだ。』


アイム『ああ。』


明智『そしたらさ、なんか無性に会いたくなったんだよお前に。』


アイム『いまさら!自分勝手だな!』


明智『そうだね。』



明智は泣いていた。それは息子光秀がアイムと名乗り光秀を捨てた事ではなく、

自分勝手に生き、棒に振って人生を無駄に過ごした事でもなく。

息子はしっかり自分の道を歩き夢に向かって歩いている事が嬉しかった。

それに比べ自分は、現実から逃げてきた。そんな自分に腹が立って泣くしかなかった。


アイム『いや、あの、俺は全然寂しくなかったよ!じーちゃんもいたし!今は仲間がたっくさんいるんだ!だから、ね、今度紹介するよ!馬鹿だけどいい人達だからさ!』


明智『ありがとうアイム!グスン。』


アイム『泣くなよ!さ!食べよう食べよう!』


明智『DJかぁ〜なんだいDJって?』


アイム『音楽で人に勇気や希望を与えるんだよ!』


明智『そうか〜。やっぱ母さん似だな!グスン。』


アイム『うまっ!!何これ?作ったの?』


明智『ああ。色々な居酒屋とか旅館で転々としてたからね。』


アイム『まじうめえ〜!』


明智『よかった。気に入ってもらえて!さあこっちも食べて!』

その夜、父と子は互いの人生について語り合った。