「あのっ、付き合うって言ったって………どこに?」







-がくっ………-






そうだった。この娘恋愛経験ゼロだったっけ。



想定外の返事に思わず笑ってしまった。





「クスクス………いや、違がくてさ。ごめんね、俺の言い方が悪かったね」




あまりに可愛い反応に笑顔が止まんねぇ。




「カレカノになりませんか?ってことだよ」



「………………………………ええっ!」




頭が俺のその言葉を理解した瞬間、色白の頬が耳までピンクに染まる。




「いや、あの……でも…………なんで私?」




真琴ちゃん、さっきよりオロオロしてるよ。




「ん?一目惚れ☆」
「私なんかに!?」





「君だからだよ…」





「返事……聞かせて?」





俺の問い掛けにしばらくの沈黙。







自分のドキドキが周りに聞こえるんじゃないかってくらい大きく感じる。






俯いたままの真琴ちゃん。
時間が長い………。






そして決断の時。





「私でよかったら……お願いします…」



「マジ!?よかった~!……………」





嬉しさと安堵感と胸一杯のくすぐったい気持ちから思わずその場にしゃがみ込んだ。





「超嬉しい俺~……」
「佐藤くんあの……大丈夫?」


「ん~?大丈夫ぅ。OK貰って安心しただけだから……つうか佐藤君じゃなくて名前で呼んで?」
「えっ、でも今会ったばっかりなのに…」




そっか。その問題があったか……。



「それなら……」




しゃがんだまま真琴ちゃんの小さい手をそっと握る。



「出会って間もないけどさ、これからゆっくり俺のこと……好きになってよ」





これが俺達の馴れ初めだったんだ――――――。