「えっ、私?」
「そう。どっぷり染まってる♪」
「ちなみに……何色?」
なんか綺麗じゃない色だったらヤダな………。
なんて。一瞬曇った私の頬にテーブル越しに身を乗り出して…………
チュッ♪
軽い音を立てたキス。ビックリして唇の感触が残るそこを、手で押さえて、目を見開いてる私に向かって一言。
「俺はマコ色一色♪」
とまたウィンク。
え~!恥ずかしいよ!近くに座ってるお客さん達も、突然のキスと、余りのセリフにこっちを見てる。
更に追い討ちをかけるように耳元に唇を寄せる。
「それから……今夜こそ身も心も染まってもらうからね。俺の事しか考えられないように……」
なんて事を甘く囁くから。
もうダメ。顔から耳から真っ赤、頭から湯気出そう…………
-あぁ、私染まってるんだ………-
急に色っぽく見え始めたアツ君を呆然と見つめながら思った。
これから先、この人と居る限り、私は身も心もアツ君色に、どっぷり染まりそうです―――――
【END】