「あ、アツ君付き合った頃とちょっとキャラ変わったよね」
「そう?嫌?」
「嫌じゃない。なんていうか……自然になった。喋り方も接し方も……うまく説明できないんだけど」
「マコがそう思うって事はさ……俺らの気持ちが近付いたってことじゃない?」
ストローで氷をつつきながらニコニコ嬉しそう。
「付き合い始め、覚えてる?あの頃ってさ、お互いの事は何も知らない。『これから好きになってください』状態で……マコは初カレカノだったしね」
「うん」
そうだ。凄い戸惑ってた。本当に付き合っていいのか、好きになっていいのか毎日不安で……
「俺も手探りだったし。嫌われたくない、好きになって欲しい一心で、壊れ物扱う気分だった」
「ごめんね」
「謝んないでよ。それで今があるんだし…………飲む?」
カラン……
アツ君のコーヒーのグラスが、私に向かって傾けられる。
「ブラックはちょっと………」
「薄いから苦くないよ」
楽しそうに見つめてくるアツ君の視線………………負けた。
ストローに口をつける。
あ、本当だ。あんまり苦くない。
「大丈夫でしょ?」
「うん」
あ、嬉しそう。
そういえば、こんな間接キスでもめた事もあったな………なにもかも自分だけが初めてで、自信持てなかった。
「………とまぁ、あの頃のマコを例えるなら……白」
「しろ?」
「うん。純白。それが俺の手でいろんな色に変えられてんの」
「面白い例えだね」
アツ君らしい例え方。私は好きだな。
「かく言う俺も染められてるよ」