「何言って…こんなの平気だよ!」
「もっとうまい庇い方出来れば良かったんだけど……傷つけちゃって。痛かったよな」






もう!なんでそんなに私ばっかり気にするの?アツ君のがひどいのに………優し過ぎだよ。





「ところでさ…あれは見つかった?」
「あったよ。ほら」






あれ…………あの時無くなった猫のストラップ。
私は握り締めてた手の平を開けて見せた。
そこにはちゃんとアツ君に買ってもらったストラップがいる。





「よかったね♪…………っとぉ」




気付くと、ニコッと嬉しそうに笑うアツ君にギュッと抱き付いていた。
勢いで傾いた体を立て直し、しっかり抱き留めてくれる。





「アツ君……アツ君好き」
「うん。俺も好き」
「私の方が好きだもん」
「え~?そんなことないよ」



目が合う。
どっちのがどれぐらい好きかなんて比べようが無いのに。ムキになったそんなやり取りがおかしくて…


顔を見合わせて笑ってしまった。




「アツ君……ずっと私と一緒にいてね」






素直に口から出たアツ君への願い。何も贅沢は言わないから……