慌ててカーテンを捲るとそこにはベッドに起き上がった、頭と腕に包帯巻いてるけど、普通に元気そうなアツ君の姿が。




「無事……だった…の?」




私の問いにニコッと白い歯を見せて笑う。しかもピースまで出しちゃって……





「平気だよ。この通り♪」
「だっ…て…動かなかった」
「あぁ、脳しんとうだって。頭打ってるから今日一日様子見るってさ」
「血が……沢山出てて」
「それも大した事ないよ。思ったより傷浅いから。あとは打撲だけ」

「………………」

「マコ?」






ペタンとその場に座り込む……ダメ、安心したら腰が抜けた。震えが止まらない。





「よかった…よかったぁ……」





緊張から開放されてホッとしたから…涙が止まらない。それどころか、小さい子供みたいに声を上げてワンワン泣いていた。





「マ、マコ?」





私のあまりの泣きように慌てたアツ君がベッドから這い出て隣りにしゃがみ込む。





「大丈夫?ごめんな、心配かけて。あぁもう、彬良さんにあんだけもう泣かさないってタンカ切っといて…どうしよ……マコ泣きやんで?」





一生懸命頭を撫でてくれる。
髪を梳く長い指、頭を覆うような大きな手の平……あぁ、アツ君の手だ。






「私こそごめんねぇ……もっと気をつけて…ればアツ君こんな…痛い目に…合わせなくて済んだ…のに」





しゃくり上げちゃってうまく喋れない。それでもなんとか謝罪を述べた。
でももしあそこで乗用車じゃ無くトラックの方にぶつかっていたらと思っただけで、ゾッとして体が震える。止まりかけた涙が溢れる。




「いや、俺は逆にマコが無事でホッとしてる。でもごめん、これ突き飛ばしたからでしょ?」



そっと触れたのは私の肘と膝。擦りむいただけだけど、一応念の為と手当てを受けた。