「うそ!早っ」

「さすが女の子ハンター………」




「変なあだ名つけんなよ………」




また雨の中ワイワイと帰路に付く……。









◆◆◆◆◆


それからの俺は超行動的だった。



女の子に自分から告るのって初めてだし、OK貰える確証もないけど。




いてもたってもいられなかった。




この気持ちの行き場が決まらないと、何にも身が入らない。







あれからS女の最寄りの駅のホームに張り込むこと三日目、ついに運命の時がやってきた――――。






-見つけた……-





周りも随分薄暗くなった、生徒もすでにぽつりぽつりとしか現れなくなった。
そんな中、あの娘が歩いて来る。


見逃したりしない。間違う訳ない。あのボブヘアー、色白の肌、あの時持ってた赤い傘。


その姿に見とれてたら、何事もなく彼女は脇をすっと通り過ぎる。



フワリといい匂い。香水とかじゃない。なんだろ、赤ちゃんみたいな甘い匂い……。
あぁ、ぎゅってしたい。




-ヤベ、声かけなきゃ!-



「ねぇ君!」
「はい?」





振り向いてきょとんとしてる。どうやら俺のこと覚えてないらしい。

三日前のことなのになぁ、俺ってそんなに印象薄いかぁ?



「伊藤真琴ちゃんだよね?」
「そうですけど…」



「俺、N付属の二年で佐藤篤っていうんだ」


真琴ちゃん見てると自然に自分が笑顔になるのが分かる。可愛いんだもん。




「突然ごめんね。俺、君が好きなんだ。よかったら付き合ってほしい」




俺の突然のストレート過ぎる告白に、ホームにいた奴等が振り返る。


でもそんなの関係ない。
回りくどい言い方はしたくなかった。



真っ直ぐ真琴ちゃんの目を見つめる。



返事聞くまでってこんなにドキドキするんだな。





真琴ちゃんはなんかオロオロしてる。だよな、こんなこと急に言われたって……困るよな。