「どこ行こうか」

「ん~…ブラブラとショッピングしながらいつものケーキ屋さんでお茶したいな。凜さんから新作でたってメール来たの♪」

「了解」




嬉しそうにほほ笑むマコ。っていつの間に姉貴とメルアド交換しちゃってたの!?


ちょい複雑な俺の気持ちに気付いたのかたまたまか、マコがふと顔を上げる。クリクリした可愛いドングリ目。

あの日以来変わった事がもう一つ。

マコが前髪で顔を隠さなくなった。
ピンで止めたり、今日は前髪を頭の上で止めてる(ポンパドールっての?)。とっても可愛いし、顔がはっきり見えて嬉しい反面、周りの野郎に目をつけられないかちょっと不安。

そのマコがじーっと俺の方を見てる。ううっ、本能が~……。



「どした?」




たまらなくなって声を掛ける。あんまり見られたらまた唇奪っちゃいそうだったから。




「アツ君髪伸びてきたよね」



手を伸ばして俺の耳付近に触れる。思わずゾクリと全身に鳥肌が立つ。
あれからしばらく経つんだけど、実は……ヤってない。あんな良い雰囲気を二回も逃したんだから、マコの気持ち考えたら嫌でもムードを求めるだろ。
なかなか良い空気にならなくて誘えてない。あ~ぁ、なんか一生できなかったりして(笑)。

だからちょっとしたことでも体が反応する。相手がマコだから特に。


「また伸ばすの?」

「ん~取りあえず。まだ前のに戻すか決めてないけど」

「そっか」

「あ、坊主のがいい?」

「そういう訳じゃないの」

「それとも茶髪嫌だった?黒の方が好き?」

「ううん。髪型一つで雰囲気違うなって。どのアツ君も格好いいよ。とっても♪」


へへっと笑う。
最近よく顔を上げるようになってマコの表情がよくわかる。結構頻繁にこうやって頬を紅くするのは俺に向けられたものだよな。こんな可愛い顔を独占できるなんて…なんて幸せ者なんだ。(←おのろけ?)