それを直接伝えたいのに何だかんだとバタバタして忘れてた……いや、マコの事に関して忘れてた筈があるか。言う機会を逃しただけだ(汗)!
「そのピン、デザインが素敵。さっきお店でも思ったんだけどよく似合ってるわ」
隣りで焦ってる俺に気付きもしないでマコは前髪に手をやってふふっと笑ってる。
「このピン、アツ君が私に選んでくれたんです。プレゼントまでしてくれて……今日は凄く楽しかったんです。好きな人とデートってこんなに素敵な事だったなんて知りませんでした」
頬を赤く染めながら嬉しそうに話すマコの横顔を見てるとこっちまで幸せな気分。
あぁっ、抱き締めたい~!俺ってこんな貪欲な奴だったんだ。
「そうね。私も同じ気持ちよ。好きな人と一緒だからこその喜びってあるのよね」
姉貴の奴知ったような口聞きやがって。マコはマコで目をキラキラさせながら姉貴の熱弁にウンウン頷いてる。まぁすっかり打ち解けてるし、俺とマコが結婚しても小姑問題は解決だな♪
問題はこっち。彬良さんは腕組みしながらうなだれて何か考え込んでる。
多分彼女を優先か可愛い妹を優先させるか悩んでんだろう。
「あの……大丈夫っすよ?俺時々寄らせて貰いますし。何かあればすっ飛んで来ますから」
「……毎日居れる訳じゃないだろ。それにSOSあってからお前どのくらいで家まで来れるんだ」
「はぁ、バイク飛ばして15分弱…」
「その15分の間に真琴に何かあったらどうする」
「はぁ…」
うわっ、彬良さん極度の心配性。
「それにお前みたいな軟弱もの、強盗が押し入って来た時真琴を守れるのか?いち早く逃げるか真っ先にやられるかどっちかだろ?」
俺は彬良さんのこの言葉に正直カチンときた。守る相手マコだぞ?誰にもの言ってんの?