玄関でサンダルを履いているとそっと耳打ちされる。






「ううん。緊張したけど挨拶出来てよかったよ」
「違くて」





玄関の戸を開けてくれて外に出ると、バッと頭を下げるアツ君にビックリ。






「ホントごめん。もっとちゃんと確かめれば良かったのに…」
「…なにが?」






何の事かわからなくて聞き返す。一瞬固まったアツ君。ポリポリ頭を掻いてそっと耳打ちされる。











「…エッチ」
「!!」







合点がいった私は一瞬で真っ赤。そういえばイッパイ2で忘れてたけど、アツ君と……………





こうなると恥ずかしくてまともに見れない。昨日より進んだ展開。お互い素肌で触れ合った。それを思い出しただけで顔から火が出そう………。







「まさか親帰ってくると思ってなかったから…うちの親帰宅するとまず俺と姉貴の部屋に来るんだ。変な決まり事なんだよ」
「仲…いいんだね」

「仕事忙しいしあんま会えないからかな」

「そっか……」









「…ごめんな」






私が俯いてるのはその事が原因だと思ったみたいで。
申し訳なさそうに溜め息をついてる。







「アツ君違うの!残念だとかそんなんじゃなくて……」

「………そんなんじゃなくて?」







身をかがめたアツ君に覗き込まれて……また自分が恥ずかしい事言ってるのに気付く。アツ君何も言ってないのに残念て…残念て何が!?





「分かるように言ってみて?」






フォローするためとはいえ、墓穴を掘った自分が恨めしい。







「ううっ……あの…ね」
「うん?」





いつの間にか手を握ってくれてる。

触れる温もりからよみがえる感覚。







「思い出して恥ずかしかっただけ…です」







あぁ、言っちゃった。