「もうめっちゃ好き」





抱き締めてもキスしてももう足りない。早く満たされたい。理性が飛んじゃった俺は野獣と化すのか!?






「私も……好き。すごく好き。好き過ぎて……」







ギョッとした。言葉が震えてる。うわずった声。泣いてる!?
俺の邪な下心がバレたか?





「どうした?ヤベ…なんか嫌だった?」
「違うの」





ぎゅって首根っこにしがみついて来る。首筋に濡れた感覚。マコの涙………







「幸せだなぁ…満たされてるなぁって思ったら泣けてきちゃって」






震えてる小さい体を見てると堪らなく切なくなって来る。そっと抱き締めてぽんぽんしながら思った。
欲望に任せて抱いたらダメだ。

絶対に誠実に優しく大切にしないと………










「マコ………俺も満たされたい」








心も体も全てがマコで満たされたい。今の切実な願い。



付き合ってから今までそれなりに我慢を重ねてきたつもり。あくまで紳士的に、慎重に大事に壊れ物を扱うように……




でも今欲しい。マコの全てが。欲しくて欲しくてもうこの気持ちのやり場がないんだ……




俺の言葉に暫く無言で見つめ合ってた。

涙に濡れたマコの瞳。月明りが反射してキラキラ光ってて……すげぇ綺麗。
そんなに長い時間じゃなかったと思うけど、ずっとそれに見とれてた。






ふいにマコの唇が動く。







「うん……」







フワッとマコの細い腕が俺の首に回される。顔にかかる柔らかい髪の毛。そして甘い香りが鼻をくすぐる。


そしてその後、可愛らしい唇から紡がれた最高の言葉にもう我慢なんかできなくなった。












「アツ君。私の全てを貰って…ください」