「マコすげぇなぁ。マジ旨かった」
「そんなことないよ?でもそんなに美味しいって言ってくれると嬉しいな♪」
なるほどと思った。こんなに旨い飯作れんなら彬良さん離さない訳だ。
「ちなみに、何でも作れんの?」
「大概はね。うちは前から私がご飯作ること多いから。和食とか得意だよ」
「おっ。俺肉じゃがとか好き♪」
それを聞いてマコはクスクス笑ってる。なんかおかしいこと言ったかな。
「肉じゃがね…一昨日失敗しちゃったばっかり」
「失敗?」
「うん。考え事してたら砂糖と塩間違えちゃった」
恥ずかしそうに少し赤くなって照れてるマコが超可愛くて。うわぁヤバい胸キュン☆
「一昨日………アツ君と別れちゃうかもって思ったらもうダメ。なにもかも上の空だった」
「あ……」
そうだ。今幸せだからつい忘れちゃうけど、マコのこと泣かせちゃったんだっけ。
「ごめんな」
「やだ違うのっ。これは話の流れで。私ったら同じことしつこく何回も……感じ悪いよね」
ガタガタ立ち上がるとそそくさと皿を洗い始める。
泣きそうな顔。なんかすごい気にしてない?感じ悪いなんか思ってねーよ。明らかに俺が悪いんだし、何度だって謝る。
大好きなマコ。
好きで好きで好き過ぎて。居ても経っても居られなかった。
そっと近付いて、皿を洗ってるマコを背後から抱き締めた。すっぽり治まってもなお余裕がある小さい体を更に自分の中に納めたくて回した腕に力を込める。
「あ、アツ君?」
腕の自由を奪われて、皿を洗う手が止まる。どうしたらいいかわかんない感じだったけど、そんなの気にしない。
今はただひたすら自分の中をマコで満たしたかったから―――――