「どうぞ。入って?」
「おじゃましま~す……」
あれから無事彬良さんの交渉が成立して(というか、マコが強引に押し切った。強くなったよなぁ…)俺の自宅にマコを連れて来た。
「うわぁ凄いね……」
うちは親の趣味で絵画とかアンティーク品とか所狭しと飾ってある。
それを眺めてはひたすら感動してる。
普段は興味もないからどーでもいいけど、そんなに喜んで貰えるなら飾ってる甲斐あるのかもな。
「綺麗にしてるなぁ。あ、キッチン借りるね」
「うん、好きに使って」
俺はイスに腰掛けてカウンター越しにマコを眺めることにした。
しかし手際いいんだよなぁ。使ったものの後始末も綺麗だし、包丁さばきもスムーズだし。
今まで付き合った中でもちろんマコが断トツだけど。やっぱ家庭的な娘っていい……毎日こうやってマコが家に居て飯作ってくれたらきっと真っ直ぐ帰って来ちゃうな。
大好きなマコを眺めてると時間が経つのはあっという間。
辺りには旨そうな匂いがだだよってる。
さりげなく高いとこの物取るの手伝ったり、取り皿とか運んでみたりして。
「アツ君ありがと」
見上げながらニコッとマコ。それに笑顔を返して二人で笑う。
なんか俺達新婚みたいで………いい。
「じゃ食べよっか♪」
メニューは魚介のパエリヤとチキンソテーと温野菜サラダとスープ。
「すっげ……」
家でこんなの食べたことない。
「いただきます」
「召し上がれ♪」
一口パクリ。
「旨っ………」
ビックリ…なんだこれ。こんなに旨くていいの!?
バクバク食べてあっという間に完食。食い物にこんなに感動したこと今までなかった。