「楽しかったなぁ。今日一日凄く充実してた。行きたいとこ行けて食べたいもの食べて、アツ君と見たかった景色まで見れて……ありがとうアツ君」






ニッコリ笑うマコの笑顔が夕日色に染まる。色が透けるように白いから鮮やかなオレンジ色がよく映える。





「なんだよ。これで終わりみたいな発言だな~?俺達はまだまだこれから。明日も明後日も明々後日も。一か月後だって一年後だってず~っと一緒にいるんだからさ。もっともっとマコの願いを叶えてやるから」


「ふふっ、そうだったね」






口に手を当ててニコニコ笑うマコが可愛くて愛しくて………


このままはい、さようならって帰せるのか俺!
心の中の何かが『帰したくない。このまま持ち帰りたい』って騒いでる。

ああっ、でも………






「こうやって一日の最後に一緒に夕日見れて良かった。帰ろっか♪」






あ~…………この純真無垢な笑顔を見たら……ホテルなんか誘える訳がない。耐えろ、耐えるんだ俺のムスコよ!








-PRRR~♪-






「アツ君携帯鳴ってるよ?」
「マジ?……メールだ。姉貴?」







なんだろ。普段滅多に電話はおろかメールなんかよこす事ないのに………








『いいこと教えてあ・げ・る♪今晩パパとママ接待で帰って来ないよ☆ちなみに私も可愛い弟の為にお友達のとこに泊まります。せいぜい頑張れよ!P.Sあとでおごりなさい♪』






あんぐり………






姉貴のやつ…お見通しかよ。お膳立てされたみたいで(まぁそうなんだけど)なん~か微妙にムカつくっつーの。






「どうしたの?急用?」





不思議そうに小首を傾げるマコ………誘えるか?誘っていいのか!?






ゴクリ………







「あのさ……今日家誰もいないんだ」
「うん?」