「きれ~………」





一望できる町並みが全てオレンジ色に染まっている。そして空もオレンジのグラデーション。男の俺でもこの風景には感動する。




マコ来たがった場所。それは店から程近い高台にある公園。ガキの頃はよくここで遊んでたけど、最近はご無沙汰だった。




この前曲がり角でマコにまかれたと思ったら、ここに来てたんだって。この辺の地理には詳しいのにどおりで見失ったはずだよ。






「ここの景色見た時ね。気分は凄く落ち込んでたけど……あ~、アツ君とここに来たかったなって…思ったんだよ」
「…ごめん」





そんなことを呟きながら眩しそうに目を細めながら街を眺めるマコの横顔。とっても可愛い。

あの時俺が至らないばっかりにマコを傷つけてしまった。
クラスメイトとの間接キス。自分じゃ意識してなかったけど、マコは気にしてた。可愛いヤキモチ…ちょっぴり嬉しかった。






正直今まで、付き合ってた娘にヤキモチ妬かれるのはウザかった。
『なんで?どうして?』
追及されると、『じゃ別れようか』の繰り返し。


でもマコは違う。どんなことでもいちいち可愛く見えて仕方ない。こんな気持ちになったのは初めて。ヤキモチだって我が儘だってなんだって叶えてあげたい。



マコは俺から初めてをもらえたって喜んでくれたけど………本当に嬉しいのは俺の方なんだ。
自分にこんな感情があるのを気付かせてくれた。




大切にしたい気持ち。

切ない気持ち。

慈しむ気持ち。

愛おしむ気持ち。





そう思わせてくれたマコに対する感謝の気持ちでいっぱいだよ。