「どれにしようかなぁ……」
メニューを前に悩む私。
だってここのケーキはどれも美味しそうで優柔不断な私に選べって方が無理だよ。
眉間にしわを寄せてメニューとにらめっこしてる私をテーブルに頬杖ついて眺めてるアツ君……。
「クスクス♪本当マコってケーキ好きなんだね」
「………ごめんね、選べなくて」
そんな私を見て、待ちくたびれたのかアツ君は席から離れてどこかに行ってしまった。
-トイレかな。今のうちに早く決めなきゃ…-
またメニューに視線を落とす。
チョコも好き。フルーツも好き。クリームもチーズもタルトだってシフォンだって……。あ~混乱する。私ってダメな子……
「おまたせしました。こちらをどうぞ♪」
「は?……ええっ!?」
そこに立って居たのは………
シルバーのトレイを片手に乗せたアツ君だった。
「な……何で!?」
私がパニクってる間にも、すまして白いお皿を私の前に置く。
そこにはお店のケーキが一口大にカットされて8種類、綺麗に盛り付けられていた。
「私まだ注文……してない…よ?」
ケーキとアツ君を交互にみる。
ケーキをアツ君が運んで来て頼んでないケーキとアツ君で……ええっ?
完璧混乱。何がどうなってそうなのか………
挙動不審な私。その様子を見てクスクス笑ってる。何か私笑われてばっかりじゃない……。
「お待たせ致しました。アイスコーヒーとミルクティでございます♪」
運んで来たのはあの時の笑顔が素敵なウエイトレスさん。
「…………?」
ポカ~ンとしてる私に極上の笑顔を向けてくれる。
「当カフェのケーキをお気に召していただけたそうで。ありがとうございます♪」
「はぁ……あの」