図星。考えれば考えるほど眠れなかった。
そんなのもアツ君にはお見通しなんだ……。







「はい」
「え?あ…」



渡された小さい紙袋。いつの間にかお会計済ませてくれていたみたい。






「ありがとう。いくら?」
「いいよ」
「あ…」






私の手から袋を取ると、 中のピンを私の髪にとめてくれる。そして最初にしてたピンを袋に入れて渡してくれた。





「プレゼント♪」






ビックリしてアツ君を見上げると、ニッと笑って頭を撫でてくれた。





「可愛い」





アツ君からの初めてのプレゼント。申し訳ないと思うけど……嬉しい。凄く嬉しいよ。







「ありがとう…」







アツ君の腕にギュッと抱き付く。照れくさくてまともに顔を見れないけど、それでも精一杯の気持ちを込めて。





「さてお姫様、次は甘い物でもいかがですか?」






そのまま私をエスコートしながらちょっとおどけたようなアツ君の誘い。
そういえば少し喉が渇いた。





「あ、じゃあ……」






この前のお店がいいな。そう言おうとしたら……






「この前行った店にしようか。あそこのケーキ気に入ってくれたみたいだったし」






凄い。なんでわかるの?私が言いたい事、思ってる事言い当てちゃって…魔法使いみたいだよ。






「うんっ。あそこのケーキ好きだよ♪」
「そっか。よかった」





アツ君も嬉しそうに目を細めて。そんな顔を見ると私まで嬉しくなってきて、自然と笑顔になっちゃう。







デートって本当はこんなに幸せな気分になるんだね。ワクワクするしドキドキするし嬉しかったり楽しかったり………




全部アツ君のおかげだよ――――――