「へぇ~……」





さっきからしきりにアツ君の口から出る言葉。




私が来たかったお店。アツ君を絶対連れては来れないと思ってたけど。だって………

店内中レースやフリルや、白、ピンク、赤で溢れてる。アンティークのアクセサリーとか雑貨とか食器とか…とにかく全部が可愛いくて私はこのお店が大好き♪





結構賑わってる店内、でも大半が女の子。男の子はアツ君ともう一組のカップルだけ。その男の子も居心地悪そうに女の子を急かしてる。






-やっぱり失敗だったかな。アツ君も居心地悪いよね…-






今更後悔しても遅い。やっぱり出よう……






「アツ君ごめんね。出よう」





その私の言葉にアツ君から返って来たのは意外な返事だった。




「なんで?」

「えっ、あの…男の子はこういうとこは居づらいのかなって……」
「いや?そんなことないよ。むしろ楽しいじゃん」






意外だった。楽しんでくれてた?うちのお兄ちゃんだってこの店入りたがらないのに……。

しきりに関心しながら店内を物色するアツ君。心なしかウキウキしてるというか…目が輝いてる。







「あっ。マコちょっと」
「?」






アツ君に手招きされて近寄って行く。指差す先を見ると……


白とピンクと紫のビーズでできたピン止め。アンティーク風で、大人っぽさの中に可愛らしさが出てて…素敵。





「うわぁ……可愛い」
「な。これ絶対マコに似合うと思う」
「私に?」





アツ君が頷く。そしてピンで止めてある前髪をちょいと持ち上げた。





「目赤い。隠してた?」
「!!」






もしかしてバレてた?



ちょっと心配そうなアツ君の表情。






「やっぱ気にしてる?昨日のこと」