私の手を取り、ゆっくり自分の口元に持っていき指先に軽く唇を寄せた。






「キスがこんなに気持ちいいと思ったのも初めて」
「~っ!アツ君っ!?」





その妖艶な微笑み。なんでそんなに色気全開なの~!?そんなの向けられて私どうしたら………






「それもこれも全部マコだからだよ。マコじゃなきゃダメなんだ。だけど本音聞けて俺嬉しいよ。そんな可愛いお願いなら大歓迎。いくらでもして♪」






オロオロしてる私の肩をギュッと抱いてくれる。頭に触れるアツ君の頬。
一昨日までこんなにアツ君に触れるなんて思ってもいなかったというのに、昨日今日で急接近!?



どうしたらいいか分からない反面、触れられることが嬉しくて。
そして触れる度に好きを実感する。出会って間もない、何も知らない状態から付き合い始めたのに確実に私の中で『好き』が大きくなってる。






「マコ、このあとどうする?どこか行きたいとこ、ある?」




普段なら『どこでもいいよ』って言っちゃうとこ。だけど今日は……





「じゃあね。この後あのアツ君が嫌じゃなかったらでいいんだけど………行きたいお店あるの」





勇気を出して言ってみた。アツ君の反応が怖くて恐る恐る見上げると………






-あ……また笑った-





嬉しそうに目を細めて見下ろしてる。私が一番好きな顔。





「オッケ~♪行こっ」




今度は手を繋いで歩き出す。指と指を絡める恋人繋ぎ。





心の中がアツ君の言葉によって少しずつ解けて行くのがわかる。そっか、これもそんなに難しい事じゃなかったんだ。
アツ君を思いやってさえいれば言いたい事言ってもいいのかも………





私の半歩前で歩幅を合わせて歩いてくれるアツ君の背中を見てそんなこと考えてたら…………なんだか段々嬉しくなって来たんだ。