「お前ら……毎回毎回人をなんだと思ってんだよ。悪いな、今回は見せねーよ?デートの邪魔されてムカつくからお前ら全員苦しめ」「マジ!?俺アツ頼みで全然やってないのに~!」
「俺も俺も」
-学校の友達かぁ。………また釣り合わないって言われちゃうのかなぁ-
からかわれるのが怖くてアツ君の後ろに隠れる。それに気付いたのか、私の肩を引き寄せ『大丈夫』と耳元で囁いてくれるけど。
やっぱり怖いよ~……
「ん?アツ、新しい彼女?あれその娘……」
一人の男の子がヒョイと覗き込む。ビックリして後づさろうとしたけど、力強い腕で押さえられてて動けない。
「S女の娘じゃん?なぁ?」
「あ、ホントだ」
別な男の子も近寄って来る。えっ?何でこの人達知ってるの?その言葉を聞いた一緒に居た女の子達も『S女だってよ』と口々に。
またこの前の二の舞いかな………。怖いよ。身体がカタカタ震えてくる。
逃げたい。この場からいなくなりたい。
「アツよかったじゃん」
-え?-
友達の口から出た意外な言葉に思わず顔を見る。
「あん時の子だろ?」
ニコニコしながらヒョイと私の方を覗き込む。身体を屈めて目線を合わせてくれる。優しい笑顔……
「はじめまして。俺ら一回君のこと見たことあるんだよね。猫助けてたでしょ。あん時アツが君にマジ惚れしたんだよ?」
あ、あの時アツ君と一緒にいたお友達?
「お~い、何バラしてんだよ」
見上げるとアツ君の顔……赤い。
「いいじゃん、可愛いじゃん。今までの女よりずっといいよ。なぁ」
「おぅ。アツがぞっこんなのは見ればわかるし。だてに中学から一緒にいる訳じゃねーよ?」
この人達私のこと認めてくれるの?