玄関の外でやっと下ろして貰ってサンダルを履けた。




「アツ君大丈夫?お兄ちゃん怖い顔してたけど……」
「ん~?マコが自ら俺の胸に飛び込んで来たんでしょ?」
「ち、違うもんっ」






にこっと笑顔を向けられても……なんかアツ君今日は意地悪だぁ。





「さて……とぉ」






耳の後ろにかけてたサングラスを被ってた白いキャップの上に乗せ替えると(気合い?)スッと腕を出して『掴まれ』の合図。腕を組んで歩くのは初めて。いつもより強気な誘い方だけど、素直に掴まる。





「どこに参りましょうお姫様?」






目を細めて私の返事を待ってくれてる。今日の目的を達成すべく、ドキドキで口を開く。






「あのっ…」
「ん?」

「行きたいとこがあるの………あのね」
「うん……」


「……………プラネタリウム」
「プラネタリウム?」
「ごめん…好き嫌いあるもんね。いいよ、気にしないで」





こんな子供みたいなおねだり、アツ君困るかな。






「ラッキー♪」
「え?」





アツ君の思いがけない言葉に思わず顔を上げる。
すると目の前にピラピラと紙が二枚差し出される。それはプラネタリウムのチケット…




「これ…は?」
「マコ星好きだろ?一緒に行こうと思ってチケット取ったんだ」
「アツ君………」





私の好きなもの覚えててくれたんだ。そんなに私のこと考えてくれてたんだ。
嬉しくて目が潤んでしまう。





「あ、そんな目すんな。襲いたくなるだろ?デートはこれからなのに」
「ごめん。う、嬉しくて…」
「だから何でもしたいんだよ。マコが喜ぶことならさ」





眩しいアツ君の笑顔。腕を組んでても私の歩幅に合わせてゆっくり歩いてくれる。時々こっちを見て私の様子を確認してくれる。何か私ばっかり色々貰ってばっかり。悪いな。私も何かしてあげれることあるかな………