「マコはさ………俺の事好き?」

「えっ?」





突然の質問にビックリしてマコが顔を上げる。


やっぱり目が赤い。ちょっと潤んでる。

どんだけ一人で色々悩んでんだよ。




「付き合って一か月経つけどさ、俺まだマコの気持ち聞いてないよ?」
「私の気持ちって…」
「俺まだマコに好きって言われた事ない」


「それは………っ!」



また俯きかけたマコの顎に指をかけてそれを阻止する

今日こそ聞かせて貰わねぇと何の為に覚悟決めてここに来たか分かんない。




「下向いちゃダメ。マコは俺と付き合ったの、ただなんとなくだった?気持ちは俺に向いてない?俺がここ来んのも迷惑だった?」
「……………」


「正直に言って。怒ったりごねたりしない。迷惑ならもう目の前には現れないから……」



この気持ちが一方通行なら諦めるしかない。マコを困らせたくない。マコが笑顔でいれないなら俺が近くにいない方がいい……





「う~………っく」
「わわっ、マコ!?」




突然ポロポロ涙を流し始めた。


「ごめんな。泣かせるつもりじゃなかったんだ。やっぱ迷惑だよな、ホントごめん」





マコは目を伏せてただただ泣くばかり。


迷惑であるなら、俺はマコを抱き締めてもやれない。どうしようもなくて、でも涙を止めてやりたくて、そっと頭を撫でた。




サラサラの黒髪。その手触りにドキドキしながら、指を絡めてみる。
しなやかなそれは、指の進行が滞る事無く滑らかに梳かれていく。



ゆっくり慈しむように何度も何度も指を通す。




大好きだよ。



大事なんだ。




大切にしたい………




一回一回想いを込めて。


この気持ちがマコに例え届かなくても、俺の気持ちは変わらないから―――――