正直、私なんかのどこがいいんだかわからない。
騙されてるんじゃないかってつい疑いたくなっちゃう。
でも……………
「あ、マコ~!」
私の姿に気付くと、満面の笑顔で迎えてくれる。
この笑顔についつい騙されちゃうんだ。
「どうしたの!?アツ君の学校ある駅で待ち合わせたと思ったけど…」
「ん?だって早くマコに会いたかったからさ。うちの方授業早く終わったし♪」
ヒョイと顔を覗き込まれる。
耳に光るシルバーのピアス。
大人っぽい香水の香り。
アツ君の顔がほんとに目の前。目を細めて…色っぽい。
-うわっ、近っ!!-
思わずわたわた慌ててしまった。
それに気付いたアツ君クスクス笑ってる。
恥ずかしいよ~……。
「行こっか♪」
アツ君が差し出してくれた手…。
モデルみたいにしなやかな手が私を誘ってる。
でも私なんかがそれに答えていいのかな。
ちょっと躊躇しちゃうよ……。
それに気付いたのかアツ君。
「手……イヤ?」
アツ君は何かある事にこうやって確かめてくれる。
私が嫌がって無いかいつも一つずつ確認してくれる………優しいね。
「………ヤじゃ…ないよ」
「ん………」
アツ君私の手を取ると、ゆっくり歩き出す。
暖かい大きい手。
お父さんのゴツゴツした手でも、お兄ちゃんの骨張った手とも違う…。
人差し指と中指にしたシルバーの指輪。私の手を握ってできる甲の筋……カッコいい。
こうやって手を繋いでると私のドキドキがアツ君に聞こえちゃいそう。