-何やってんだ俺………-
走り去るマコをすぐに追いかけたのに、角を曲がったとこで見失った。
つい感情的になりすぎて、女の子達は泣かすし、マコには嫌な思いさせるし………最悪。
そもそも付き合い始めた時からの俺のフォローがなってなかったんだ。今までそんなん気にした事なかったけど、マコは別格なのに。
あの「ごめんね」ってどういう意味だろ。もう付き合えないごめんなさいって意味か!?
そんなのねーよ。マコは初めてこんなに好きになったのに。一生一緒に居たいと思った娘なのに………。
-コンコン……-
「………はい」
-ガチャッ-
「篤~電話だよ」
「こんな時間に?誰から?姉貴」
時計を見ると10時。
俺宛で宅電にかけて来る奴なんか居ないのに、イタ電じゃねーのかよ。
「それがさぁ、ふふっ。出て見れば分かるから♪」
何だか意味ありげにニヤニヤしちゃって……。
「部屋に回してよ」
何だかよく分かんないまま、子機を取る。
「もしもし?」
『あ~篤君?久しぶり』
俺は電話の相手が誰だか分かると息を飲んだ。
「伊藤さん!?」
『そう』
マコの兄貴。俺とマコを出会わせてくれたゴツいキューピットだった。
「どうしたんすか?姉貴じゃなくて俺に用事なんて」
『いや~、篤くんにちょっと確認したいことがあってさ』
「なんすか?」
『キミさぁ、彼女出来たんだってね。それはさっき凜ちゃんに確認したんだけど……』
凜(りん)って姉貴の名前。マコの兄貴、彬良(あきら)さんとは大学のサークル仲間。
『今日その娘となんかあった?』
「は?」
-ドキッ……-
『というか、俺回りくどいの嫌いなんだ。てめぇ、うちの真琴と付き合ってんだろ!?』