私の話が終わるまで、ずーっと黙ってたお兄ちゃんが口を開く。



「それは女の子を不安にさせる男が悪いよ。器量が足りないってことだ。そんな奴、兄ちゃん許せないな」

「凄い良い人なんだよ!いつも気遣ってくれて。逆に迷惑かけれないって思うくらい……」

「それじゃお前の心の内まではくみ取ってやれてないってことじゃないか。我が儘言えないんだろ?遠慮してるんだろ?」

「だって初めて会ってすぐ告白されたんだもん。私彼の事何も知らないし………言えないよ」

「は?まさかお前の彼って……」
「何?」



「いや、とにかく真琴の全てを守れるような男じゃなきゃ兄ちゃんは認めないぞ」

「お兄ちゃ~ん………」






認めるも何も別れちゃうんだよ~!?




「私部屋に行く……」
「おい、飯は?」

「食べたくない…………しょっぱいし」






こんな時に食欲なんかないよ。






外は満天の星空。近ごろ寒くなって来たから空気が澄んでて一際綺麗に見える。



星を見るのが好き。
空を眺めるのも好き。
天文台、プラネタリウム……アツ君と行きたかった。



興味なかったらって一緒に行こうって誘えなかったけど。




好きなものを好きな人と一緒に見たかった――――――






こういう風になって初めて分かったホントの気持ち。






-私はアツ君が好きです-





今更遅いけど、認めざる得ない。だって好きだもん。悪いか~!




出会って間もないけど、それでも結構アツ君の事分かったよ。





考え事してる時は髪を触る癖。



嬉しい時目を細める事。



趣味はバイク。




好きな音楽は洋楽。





甘い物が苦手。





これから先も付き合ってたらもっと沢山アツ君のこと知れたのにね。






この晩、カーテンを開けたままベッドの中で星空を見ながら眠れぬ夜を過ごした―――