「―――~っ!!」

「ん、旨い。でもやっぱ甘いな~」





こ、これって間接………キス……だよね?





-うわ~!!どうしよ、どういうリアクション取ればいいの!?-





恥ずかしくて恥ずかしくて、顔が赤くなるのが分かる。






アツ君の顔がまともに見れないよ~。



フォークを持つ手が震える。それがお皿に当たって………







-カチャカチャカチャ………-







その音に気付いたアツ君、小首を傾げてる。



「どした?」






あ、そうだ。こういうの初めてなの私だけなんだ……。





間接キスにドキドキするのも、ファーストキスがまだなのも私だけ………






-………そっか。アツ君はこんなの意識するうちに入んないんだね-






ドキドキしてた自分が急に空しくなる。





その時だった。





「あっれ~?アツじゃん」




店に入ってきた二人連れの女の子。
紺のブレザーにブルーのチェックのスカート。
アツ君と同じ学校の制服…。




「おぅ。なんでお前らこんなとこ来んの?お願い、邪魔しないでくれる?」

「誰かさんが最近付き合い悪いからさ~。メールしても返ってこないし。ねぇ、またオールで遊ぼうよぉ」





一人の娘がチラッと私の方を見た。




「ぷっ、バカ女の制服じゃん」

「どれ?あ、ほんとだ」




二人とも明らかに見下したふう。そりゃアツ君達の学校は有名な進学校だからバカにされてもしょうがないけどさ………。






「どうしたの?アツらしくないねぇ。今まで可愛い娘率高かったじゃん。真理とか梓とかリホ先輩とかさぁ。なんでこんなおバカの地味子にしたの?つまみぐい?あ~珍味か」

「暇潰しに付き合うならさぁ、あたしにしときなよ~」





そう言って一人の娘が私に見せつけるように、アツ君が飲んでたコーヒーのストローに口をつける。




「!!」