「お待たせいたしました。ケーキセットでございます」




恥ずかしくて直視出来ないで俯いてるところへ可愛らしいウェイトレスさんがケーキを運んできた。




「うわ~可愛いなぁ♪」





思わずケーキのお皿に目が釘付け。


チョコ、イチゴ、レアチーズのミニケーキが綺麗に盛り付けられてる。


私、甘い物が大好き。色々考え込んでて暗い顔してたのが嘘みたいに顔がニヤけちゃう。



「いいのかなぁ、こんな可愛いの食べちゃって♪」

「いいよ。どうぞ」




一口、口に運ぶ。




「あ、美味し♪」



美味しいケーキに改めて感動。私の中でトップ3に入る味だぁ。





でも、ふと気付くとアツ君はコーヒーだけ…。



「アツ君は?」

「ん~?俺あんまり甘い物食わないから」





そういえばコーヒーもブラック。うちはお兄ちゃんがめちゃくちゃ甘党だから男の人が甘いの食べないの……気付かなかった。




「…………ごめんね、甘いの得意じゃないのに付き合わせて」





またアツ君に気を使わせちゃった。





「ちょっと待って。なんで謝る?」





アツ君苦笑い。
頬杖ついて目を細めてジッと私の方見てる。




「今日は俺的に収穫あったんだよ?マコの笑顔見れたもん。旨そうに幸せそうに食ってる、その顔見れてよっしゃ!…ってさ。俺、それだけで嬉しい♪」





ニコニコ幸せそうに目を細めてるアツ君……




-あ、この人好き………-





私の心の奥で誰かが囁く。





こんなに私に対してストレートに感情を表してくれる。





なのに何でこんなに不安に思ってるんだろ。贅沢だよ。





「でもそんなに言うなら~…………いただきっ!」

「!!」




アツ君、不意打ちで私の右手を掴み、フォークに乗っかったチーズケーキをパクッと食べる。