結局今日の放課後デートもアツ君に任せっ放しだった。





どこ行きたい?何みたい?何食べたい?





アツ君聞いてくれるけど、私の返事は「どこでも、どっちでも、どれでも、なんでもいい」




我が儘なんか言えないよ。私みたいなのがアツ君振り回せない。




アツ君つまんなくないかな。そのうち、飽きて私から離れて行っちゃうんじゃない?






私、アツ君のこと…好きになっていいのかな。



私みたいな一緒にいても何も楽しくない娘が………。





好きになった瞬間フラれて傷つく気すらしてくる。






アツ君を好きになるのが怖いよ―――――












「………でさ。マコ?聞いてた?」
「えっ?あ………ごめん、何?」




ここは「ケーキが旨いんだ」とアツ君が連れてきてくれた可愛らしいカフェ。



二人でお茶しにきてたんだった。




「ホント、今日はどした?なんか心配事あるなら言って?何か出来るかもしれないし」
「ううん。大丈夫だよ。ごめんね、月曜日からの試験が気になってただけなの……」






嘘……ついちゃった。でも、言えるわけがないよ。アツ君とは釣り合わないのかもって不安で悩んでるなんて……。




「あ、じゃあさ」





飲んでいたアイスコーヒーのグラスを弄びながらにこっと笑いかけてくれる。






「明日からちょうど連休だし、よかったら勉強教えるよ」
「ええっ、悪いよ。私物覚え悪いしっ」
「いや、悪くない。勉強教えるってそんなの建前でさ………」





身を乗り出して耳元で囁いた。




「休みの日も会いたいんだ。だから明日、マコの家行ってもいい?」





あぁ、私ってばアツ君の笑顔にホント弱い。
思わず頷いちゃった……。




「ラッキ♪明日はマコと一日一緒に居れるから俺超嬉しい☆」




そんな色っぽい笑顔向けないで~!直視出来ないよぉ………