まるで、どうしようもない、夜だった。 窓を叩く雨の音がいつもよりも気になって。先週カバーを変えたばかりの布団の重さに身を捩って。 無理やり閉じた瞼の奥は、何かとチカチカ煩い。 疲れた身体は休息を必要としている筈なのに。明日の朝、辛いのは自分だとわかっていても。 ふう、と小さく溜め息をついて身体の力を抜いた。意識して感じた鼓動がやけに大きく聞こえる。 ーーああ、どうしようもなく、眠れない。