「ねえ、これはどこなの?」

千華が問いかけると、レイラは少しだけ考えるように宙をにらみ、口にした。

「これはずっと南の方だよ」

「そういうことじゃないってば」

呆れたように千華が言うと、レイラが水晶球に手をかざす。

画面は再び消えて、新しいものへと変わっていく。

今度の武は、わりとこぎれいな格好をしていた。

着ているものは多少破れたり、つぎはぎは見られるものの、

腰には刀のような物を差している。

武は焼け落ちた小屋や、たくさんの人の中、

誰かを探すようにきょろきょろと周りを見ながら歩いている。