かろうじて自分の他に人が一人いること、それぐらいしか判別できない。

いつからか、こんな夢しか見ることができなくなっていた。

四百年も同じ脳を使い続けているのだから、これくらいは仕方がないのかもしれない。

痴呆症とかいう病気にかからないだけまだましなのだろう。

そしてそのノイズだらけの映像も、

テレビが消える瞬間のように音もなく、しぼんで消えていった。