「どーやって聴くんだ?」

「そっか、武、デッキもってないもんね。あたしの部屋にあるから来れば?」

「ああ、じゃあ部屋で待ってる」

聞き耳を立てていたかのようにレイラが言った。

「ここはいいよ。後はジンがやっておくから。あんたたちは、部屋でイチャイチャしてればいいさ」

ねえ、ジン?

レイラが微笑みかけると、仕方なくといった感じでジンが頷いた。

「もー、レイラさんたら。そんなんじゃないよ」

千華は両手を前に突き出して小刻みに振り、ジンに向けて、

「じゃあ、ジンさん後はお願いね」

レイラそっくりの微笑を浮かべて部屋を出て行った。

どうか、千華がレイラみたいにはなりませんように。

そう願いながら、武は千華の背中を足早に追った。