ジンも「かわいい、かわいい」と手を叩いて、はやしたてる。

「よかったねえ」

レイラが言うと、千華が「うん」と大きく頷いた。

ジンが隣から、

「どれ、おじさんにちょっと見せてくれよ?」

そう言って、椅子を引きずった。

「見るのはいいけど、触らないでね」

千華が答えた。

「お酒臭くなるから」

「あはは、こりゃいーや」

レイラが扇を叩いて、高笑いする。

「そうだよ千華、ジンなんかに触らせるんじゃないよ。なんていったって、武に買ってもらった大切な大切なお洋服だもんねえ」

「違いねえ」

ジンが短く呟く。

千華は恥ずかしそうにしながら、

「食べましょ」

と呟いた。

何故か武だけが、その場の会話に入ることができなかった。