千珠の頭の中は、再びどこかに飛んでいってしまった。

由加里が失礼なことを言った。

それを止めようとすると、武がはさみを手に取り、自分の腕に突きつけた。

脳が命令を出し、悲鳴を上げようとしたその瞬間、頭の中が真っ白になり小人達が現れた。

しかも、今度はお祭りどころの騒ぎではない。

小人達は二つに分かれて、戦争を繰り広げていた。

それでも彼らは武器を使うことなく、クリームでできたパイをぶつけ合っていた。

そしてその争いの中心に自分は立ち尽くしていた。

なんなの、これ?

目の前をイチゴののったパイが飛んでいく。