「とりあえず、ここがどこかはわかるかい?」

「正確にはわかんないけど、今よりはずっと昔みたい。だってみんな刀とか持ってるし」

「そうだねえ、だいたい四百年ほど前ってとこだよ」

千華はレイラの言葉に頷きながら、水晶球を覗き込む。

武は相変わらず、いろいろな景色をバックにしてひとり歩いている。

「四百年って……武のご先祖様とか?」

レイラが微笑みながら首を振る。

「いいや、武自身さ」