「これって……」

千華が呟くのを聞いて、レイラがゆっくりと頷いて見せた。

「そうだよ。これが武の若い頃。っていっても、今も見てくれだけは若いんだけどね」

「どういうことなの?」

「見たままだよ。いつだったかジンが口を滑らせたことがあっただろう?」

千華が思いをめぐらせて、気がついたのを確かめてから付け足した。

「武は侍(さむらい)だったんだよ」