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《高校1年 春》
夏海とは高校に入学してすぐに仲良くなった。
“相浜”と“浅倉”で席が前後だったあたしたち。
元気はいいけど人見知りのあたしは最初1人だった。
でもそんなとき、夏海がニコニコしながらあたしに話しかけてくれたんだ。
「これからよろしくね!あ、あたし相浜夏海。夏海って呼んで!あなたは?」
「あ、あたしは浅倉陽奈。陽奈って呼んで!よろしく!」
それからあたしたちはたくさん話した。
まるで中学のころから仲が良かったみたいに。
でもあたしは“過去”の話はふれないようにしていた。
だってせっかくできた友達に『それ』のことなんて言えなかったから。
言ったら離れていってしまうような気がして。
それに何より夏海が話しかけてくれたことがすごく嬉しかった。
だからまた離れていってしまうことが怖かったんだ。