小野寺琴音、ノックアウトです。 こういう時、いつも思うこと。 もしかしたら…湊はあたしのこと 好きまで行かなくても、 嫌いじゃなくなってくれたんじゃないかって。 でも、あたしが変わったことは、何もない。 きっと、まだ湊はあたしのこと 嫌い。 一生、嫌いなままかも。 「おい!」 ん…? 顔を上げると、湊のドアップ。 「うあぁっ!」 「…なんだよ、人をお化けみたいに」 むすっとする湊は、子供っぽくて 可愛かった。