喪失感がずっと悪い風邪を引いたかの様に俺を襲い続けた



少しだけ刺身とビールを飲みながらまだ事実を受け入れられずにいた



息子の誕生を喜んでいたそれが一気に暗い穴の中に突き落とされた感じがした



とるものもとらず俺は早々に宿を後にした



早く妻の元に帰りたかった直子の事を気にしていなかったかといえば嘘になる



列車に乗り俺は気がついたら眠りに着いていた