「行くぞ、陸斗。」 「あぁ…。遙。」 俺達は2人一緒になれば最強だ。 周りが見えないくらいに、2人で競ってタイムを伸ばし続けてきた。 自分のレーンを確認してスタートのフォームを確認する。 ──始まる。 周りの事なんて忘れて、ただ走ることだけを考える。 …大丈夫、絶対に大丈夫。 風に……… 風と共に走るんだ。 風になって。