その瞬間、ふわっと香る遙の香り。




「優衣は、マネージャー失格なんかじゃないよ?

ちゃんと異変に気づいただろ?」




優しい声で、あたしを落ち着かせる遙。



「ほら、泣き止め。俺もなんとかしてみるから、な?」




あたしがいつまでも泣いてちゃいけない。


あたしだってマネージャーなんだから、しっかりしなくちゃ…。



「遙、ありがとうっ!!」



そう言って、遙に笑顔を見せた。



─…あたしはもう、大丈夫。