それでも後悔なんてなかった。



最後に遙と走れたから。





足は失っても、生きているから。



生きる希望は、いくらでもあるから。




「陸斗…さっき…」



天風は気づいたみたいだった。


俺がいつものように“遙”と呼んだのを。