遙は青空に目を向けた。



「俺より速いやつなんて、いくらでもいる。


目標にするのは、速く走ることを目標にしてるやつのほうがいい。」



──俺は、誰よりも速く…とか、そんな考えじゃないんだ。


ただ、走る事だけを考える。

風となって走ることを…──



ずっと前に遙が言っていた。



この世界には、それぞれ色々な目標に向かって走る人がいる…って。



でも、遙はただ走りたいだけ。




だから…こんなにもいい走りが出来るんだって。