─パシンッ



頬に痛みを感じた。



顔をあげると、涙を流して歯を食いしばる優衣がいた。




「遙、いい加減にして!!

いつまで逃げてるの!?


遙は…ただ現実から逃げてるだけじゃない!!

みんな辛いんだよ?なんでわからないの?

こんなの、あたしが好きな遙じゃない!!」



優衣が、初めて怒った。



どんな時も怒らない優衣が、俺の為に涙を流して。