「遙、陸上部に戻って来てよ。」



「俺は…もう、走りたくない。」





俺が走る事で誰かが傷つくなら


俺は走ったらいけないんだ。



もう、走ることで誰かを失うのは嫌だから。




「遙…?」



「嫌なんだよ、もう。
誰かが傷つくのも、失うのも!!」




初めて、風のように“消えたい”と願った。


走りたくないと願った。