「おっかえりー。
どーだった? 楽しかった?」
「‥‥‥‥‥殺すゾ、コラ。」
おたま片手にキモチ悪いくらい満面の笑みで出迎えたアンジェラに、たった一日でめっきり老けこんだマリーが力なく恨み言を吐いた。
ぅわぁ… 死んでる。
目が死んでる。
そんな情けねぇ顔もするンだネ。
どーやら、イヤガラセ作戦は大成功☆
「ごめんな。俺、行けなくて。
お詫びに、夕飯はハンバーグにしたから。
マリー、好きだろ?」
満足そうにニンマリ笑ったアンジェラが言った。
途端にマリーの目に生気が戻る。
単純バカめ。
「菜々ちゃん、髪、似合ってるよー。
ほら、早く上がって?
後でナニ買ってきたか見せて…
菜々ちゃん?」
「菜々?」
野郎二人の視線を集めた菜々は靴も脱がずにヘナヘナと玄関先に崩れ落ちた。
脱力しきって。
虚ろな表情で。
そして焦点の合っていない大きな目からは滂沱の涙が…
「ぅーえぇぇぇぇぇんっっ」