「で? 夕飯なんだっけ?
まだ時間かかるなら、俺、漫喫行くケド?」


菜々がゲストルームに入っていくのを見送ってから、マリーはアンジェラに視線を移して訊ねた。

もう逃亡の危険はないだろう。

漫喫生活再開☆
やっほい☆

なーんて。
そうは問屋が卸さない。

アンジェラが立ち上がりかけたマリーの肩を押さえつけ、再びソファーに座らせた。


「いつから、俺が男だって知ってたンだ?」


隣に座って身を乗り出し、睨みつけてくるアンジェラの声は低い。

てか、なんなの?
この距離。

近すぎンだろ。


「初めからだケド?」


「なんでわかった?」


ジリジリ身体をズラして距離を取ろうとするマリーに、アンジェラがさらに詰め寄る。


「なんでって…
俺、おまえを担いで帰ったンだゾ?
いくら華奢でも、男と女じゃ骨格が違ェだろ。」


「…
じゃあ、日本語喋れっつったのも、俺が日本国籍だって知ってたからか?」