(マンガの続きが読みてぇ…)


マリーは広げた雑誌を顔に乗せて、だらしなくソファーに寝転がっていた。

ここ最近、漫喫に行ってない。
てか、行けない。

家を離れられない。

あれ以来、ゾンビ娘がアヤシイ動きをしているから。

アンジェラの話によると、彼女は今まで以上に体力回復に努めているようだ。

食べられる量が増え、嘔吐の回数は減ったらしい。

その上、こっそりベッドの中で筋トレとも思えるような行動まで…

コレさー…
絶対、逃亡計画遂行中だろ。

逃げたいなら、逃げりゃいいケド。
ソコまで知ったこっちゃねーケド。

父親との接触だけは、止めなければ。

逃亡を確認次第先回りし、サクっとあのクズを始末する。

してやれるのは、ソコまでだ。

短絡的?

ほっとけよ。
ソレしか引き出しねぇンだよ。


「アンジー、今日の夕飯ナニ」


マリーはキッチンにいるアンジェラに掛けた言葉を切った。

雑誌を床に落としながら上半身をゆっくり起こす。

控えめな音を立てて開かれたゲストルームの扉の前に、逃亡を企んでいたはずの少女が立っていた。