「無理だな。奈々は蒼竜の姫だ。渡す訳にはいかねぇ。」
《返さないとてめぇのチームぶっ潰すぞ!!!!!》
「はっ。潰せるなら潰してみろ。じゃあな。」
そう言って竜は電話をきった。
「竜…。ごめんね。あたしのせいで面倒ごとに巻き込んで………。」
彼を見上げると、優しい笑みを浮かべてて。
「大丈夫だ。俺等がぜってー守るから。」
と言って、あたしを強く抱き締めた。
「ちょっと、竜ちゃん!独り占めしないでよ!」
大きな目で頬を膨らましながら言う春馬は本当に可愛い。
「独り占めしてもいいだろうが。奈々は俺のだ。」
「いやぁ、独占欲の強い男。嫌われちゃうよ~?」
「うるせぇ、港。」
仲が良いんだなぁ。
「竜ちゃんが良くても、奈々ちゃんは嫌かもしんないじゃん!だって無理矢理でしょー?」
「奈々。嫌、か?」
あたしを抱き締めたまま竜が聞いてくる。
「嫌じゃない…………。」
恥ずかしくて、俯きながら言うと
「だってよ。」
竜が嬉しそうに笑っていた事はあたしは知らなかった。