「帰さねぇ、って俺言ったよな?」




その言葉とともに、あたしは竜の腕の中に収まっていた。



《奈々!てめぇ、誰と居るんだ?早くでろ!》




「チッ。うるせぇな。」




《奈々!》



「うるせぇんだよ、北神。」


《あ?てめぇ、誰だ?》



「蒼竜の赤塚だ。」




《赤塚!?なんでてめぇが奈々のケータイにでるんだよ!?》




棟磨、相当焦ってるな。





「奈々は俺らが人質として預かってる。奈々は俺の女にした。これ以上奈々に関わんな。」




竜…………。





《あ?冗談じゃねぇ。奈々を返せ。》





棟磨………

あたしはもう戻らない。